クラウドへのスピード: ユニオンデジタル銀行、フィリピンの銀行口座を持たない数百万人々をターゲットに金融サービスを開始

銀行口座を持たないからといって、信用リスクが高まるわけではありません。フィリピンでは何千万人もの人々が金融サービスを利用できません。彼らの多くは銀行ローンを利用する必要があり、返済も可能でしょう。ただ、彼らは銀行口座を持っておらず、ほとんどではないにしても多くの銀行が小口融資を必要とする顧客のニーズに対応していないだけなのです。

しかし多くの家族にとって、お金を借りることは、家を購入したり、事業を立ち上げたりすることを可能にし、繁栄の旅への第一歩となります。フィリピンの銀行口座を持たない人々は、未開拓の大きな市場機会なのです。ユニオンデジタル銀行は、このような層にサービスを提供し、フィリピンの一般家庭が経済的な力を得て、明るい未来に向かって前進できるようにする地元の銀行になることを目指していました。

2023年8月、ファーウェイは中国の金融テクノロジー企業であるサンライン（Sunline）と提携し、フィリピンのユニオンデジタル銀行がローンサービスの次世代コアラットフォームを構築できるようにしました。驚くべきことに、このプロジェクトの納期はわずか35日でした。この新しいプラットフォームにより、フィリピンの銀行口座を持たない何百万人もの人々が金融サービスを利用できるようになります。

「フィリピンでは、月収1万ペソまたは200ドル以下の人々が約7000万から8000万人います。ユニオンデジタルの最高技術・変革責任者であるロン・プーノ（Ron Puno）氏は言う。「彼らが本当に必要としていることのひとつは、金融支援です。どうすれば遠く離れた地域の彼らに迅速に融資を行うことができるのか？それを実現する唯一の方法は、デジタルの活用だと考えています」

ユニオンデジタルは、フィリピンでデジタルバンキングのライセンスを最初に取得した金融機関のひとつです。同行はエコシステムベースの戦略を採用し、十分なサービスを受けていない個人や中小企業、地域社会に対して、使いやすく、アクセスしやすく、適切で、信頼性が高く、安全な金融商品やサービスを提供しています。同行は、デジタル技術とインテリジェント技術に裏打ちされた銀行サービスを提供することで、包括的な開発を促進することを目指しています。

しかし、ユニオンデジタルはこれを実現するために、基幹システムの規模を拡大する必要がありました。これには、小口融資機能を備えたローンサービスプラットフォームの導入も含まれます。ですが、これらのアップグレードは中央銀行の規制基準に準拠し、ユニオンデジタルがユーザーとトランザクションの急増時でも安定性を保証しながら、中低所得層の顧客にシナリオに特化した金融サービスを提供できるようにする必要があります。

厳しい審査の結果、同行はこのプロジェクトを支えるクラウドインフラについて、既存のパートナーであるファーウェイに白羽の矢を立てたのです。ファーウェイは次に、大手サービスプロバイダーである中国のフィンテック企業サンラインと提携し、新システムを導入しました。

サンラインは、海外に進出した最初の中国大手フィンテック企業です。同社のビジョンはデジタル金融のコンサルティン・ソリューションとサービスを提供するグローバルプロバイダーになることです。同社は、ファーウェイのFinancial Partner Go Global Program（FPGGP）アクセラレーションプログラムに参加した最初の企業の1つであり、理事役を務めています。相互補完的な強みを生かし、サンラインとファーウェイは過去にいくつかのプロジェクトを成功させています。

ユニオンデジタルとファーウェイは2023年8月にプロジェクトをスタートし、サンラインは9月に参加しました。3社はパートナーとして、スタートからわずか35日後に基幹システムを立ち上げるという極めて積極的なスケジュールで合意しました。同行が中央銀行の規制基準に準拠するためには、このような迅速な展開が必要でした。また、ファーウェイが銀行基幹システムのクラウド移行に関与したのはこれが初めてでした。

「サンラインのデリバリーセンターの副シニアデイレクターであり、プロジェクトチームのメンバーでもある余松氏は、次のように語っています。「当社のコンポーネントはすべてファーウェイのクラウドでサポートできます。どんな技術的な問題に直面しても、ファーウェイ側で解決策を見つけることができます。それだけでなく、当社の製品もHuawei Cloudとうまく連携しています。私たちの共同ソリューションは、ラボでの事前統合と最適化に費やした時間のおかげで、両社の強みを統合することができました」

一般的に、この規模のプロジェクトでは、実装と納品に3～6カ月かかります。35日という期限を考慮し、ファーウェイとサンラインは多数の上級専門家を動員して実現しました。ユニオンデジタルは感銘を受け、このプロジェクトは新規顧客の獲得とフィリピン最大の市場シェアの確保に重要な役割を果たしました。

「これは信頼できると人々が言い始めると、ますます多くの人がこれを使用するようになるでしょう」とプーノ氏は予測します。「フィリピンでの銀行業務のやり方が変わるでしょう…（しかし）それがいつ起こるかはわかりません。その瞬間が、時間の経過とともに数人だけになるかどうかはわかりませんし、一夜にして全員になるかどうかもわかりません」

現在、このシステムを通じて毎日多数のローン申し込みが処理されています。このおかげで、ユニオンデジタルはフィリピンのフィンテックの中でも上位にランクされるようになりました。そして、フィリピンの何百万人もの人々が、つい最近まで障害物しかなかった目の前に、新たな金融の道が開かれたことを実感しています。

この経験によって強化されたファーウェイは、サンラインやその他のパートナーと協力し、世界中のより多くの銀行顧客がデジタル金融の恩恵を受けられるよう支援していきます。ファーウェイは、共同ソリューションイノベーションを通じて、パートナーと協力し、金融機関の変革とアップグレードを促進し、デジタル化とインテリジェンスを加速させ、より優れた、効率的で、安全かつ革新的な製品、ソリューション、サービスを顧客に提供する計画です。