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    増強を続けるオンラインゲーム基盤
    構成変更や障害にSDNで迅速対応

    人気オンラインゲームを抱えるスクウェア・エニックスでは、機器の老朽化を機に性能と構成の柔軟さ、トラブルへのすばやい対応を求めファーウェイのスイッチとSDNコントローラーによるSDN、および可視化ツールを採用した。

株式会社スクウェア・エニックスは、ゲームソフトを中心に、出版やグッズ販売なども含めて、エンターテインメントコンテンツをリリースしている。現在ではMMO RPGなどのオンラインゲームも増えており、そうしたネットワークサービスをデータセンターに置かれた自社設備から配信している。
 

スクウェア・エニックス 情報システム部 ITインフラストラクチャー・グループ シニア・マネージャー 森竜也氏(右)、ネットワーク・グループ 田邉亮氏(中央)、ネットワーク・グループ リーダー 汪洋氏(左)

スクウェア・エニックス 情報システム部 ITインフラストラクチャー・グループ シニア・マネージャー 森竜也氏(右)、ネットワーク・グループ 田邉亮氏(中央)、ネットワーク・グループ リーダー 汪洋氏(左)

ユーザー増加でキャパシティが不足

ネットワークサービスを長年運用してきたため、ネットワーク機器も老朽化してきた。また、ユーザーが増え続けるのに合わせて増設を続けてきたが、機器の性能の面でもネットワーク構成の面でもキャパシティ不足が見えてきた。そのため、機器のリプレースを検討した。さらに、ネットワーク構成の柔軟さを求めて、SDNの採用を考えた。「SDNによって、サーバーチームからの要求に柔軟に応えられるものを目指しました」とネットワーク・グループの田邉亮氏は語る。

もう1つ、トラブル時の問題調査も課題だった。ネットワーク・グループには開発チームなどから、「データベースの応答速度が遅い」といった調査依頼が来ることがある。「原因調査のために、送信元と受信側でパケットキャプチャして時系列で比べて、ネットワークの問題かサーバーの問題を切り分けることになります。こうした調査を可視化して調査しやすいようにしたいと考えていました」(田邉氏)

トラブル対応で可視化が強力

新しい機器の検討を開始したのは、2020 年の3月ごろ。ベンダー各社のラボで検証を重ねて、監視ツールなどもあわせて総合的に検討。同年10月ごろに、ファーウェイ製品の採用を決定した。現在は構築を完了して稼働している。

ネットワーク構成としては、スパイン・リーフ構成をとり、リーフスイッチに10GEアクセスポート48個と100GEアップリンクを備えたトップオブラック型のCloudEngine 6857E-48S6CQ /48T6CQを、スパインスイッチに100GEポート32個を備えたモジュラー型のCloudEngine8850-32CQ -EIを採用。さらにスパインを束ねるスーパースパインを設け、スパインスイッチと同じシリーズで100GEポート64個を備えたCloudEngine8850-64CQ-EIを採用した。そしてこれらを管理するSDNコントローラーとしてiMaster-NCE Fabricを導入。さらに可視化分析ツールのFabricInsightも導入した。「いちばんの決め手となったのは、移行後の運用が最もイメージできたことです」と田邉氏。特に可視化分析ツールFabricInsightについて、前述したデータベースの応答速度を調査するときなどにも、遅延や経路の情報をきちんと可視化できるところを見て、トラブル対応がイメージできたという。

もちろんiMaster-NCE FabricによるSDNとの親和性もある。「可視化で見えた問題に対処するときに、オペレーションがハードウェアと密に結合しているので、直接的に対応できます」と、ITインフラストラクチャー・グループ シニア・マネージャーの森竜也氏は補足した。
 

ネットワーク構成図

ネットワーク構成図

機能追加にも対応するサポート

導入効果としては、まずネットワークのパフォーマンスが向上した。たとえば仮想マシンを別の物理サーバーにマイグレーションする場合の時間が、これまでの6分の1になったという。

また、SDNにより柔軟な構成が可能になった。たとえば、異なるネットワークセグメントに接続するとき、これまでは数週間かけて新しいスイッチを構築する必要があった。それが数時間で済むようになった。 トラブル時の可視化についても、「遅延があったときに、特定時点でのパケットロスやそのときのバッファ使用率などを履歴で確認できるようになりました」と、ネットワーク・グループの汪洋氏は語る。
スクウェア・エニックスから製品に要望を出してもいる。大きなところでは、ZTP(Zero Touch Provisioning)で設定できるネットワーク構成がスパイン・リーフの2層構成にしか対応していなかったのを、スクウェア・エニックスの特徴的なスパイン・リーフ・スーパースパインの3 層構成に対応するよう要望を出し、実装された。そのほか、FabricInsightで表示できる情報など、いくつも要望を出している。
このようにサポートが手厚かったことを汪氏は評価する。日々のオペレーションでも、サポートのエンジニアがすばやく対応。また、複雑なケースでは、ハードウェア製品担当や、SDN製品担当、サポート、SEなどが集まって解決したという。

現在は一部のオンラインサービスのためのネットワーク環境だが、今後はほかのサービスも同じネットワーク環境にのせていく予定だ。それにあわせて機器を増設していく。そのときに、ZTPの機能や、SDNによる柔軟な構成、トラフィック増加でのFabricInsightの活用、サポートなど、ファーウェイに寄せる期待は大きい。

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