STC、マネージドWi-FiでB2Bサービスを刷新
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企業ユーザー向け製品、ソリューション、サービス
政府や企業顧客がデジタル変革を推進する中で、固定アクセスすなわちLANベースのオフィスからワイヤレスすなわちWi-Fiベースのオフィスへの移行が急速に進んでいます。ワイヤレスオフィスへの移行後、B2B顧客の多くは独自のネットワークモデルの運用を継続するよりも、マネージドWi-Fiネットワークサービスを購入する傾向があります。マネージドWi-Fiネットワークサービスを導入した企業は、自社のサービスに集中しながら、IT支出を管理し、資産運用を軽減できます。
これを考慮して、サウジ・テレコム・カンパニー(Saudi Telecom Company、STC)は新たにマネージドWi-Fiネットワークサービスを立ち上げ、従来の政府および企業向けの専用回線サービスを拡張し、企業の顧客構内設備(Customer Premises Equipment、CPE)から顧客のLANネットワークへとビジネスを広げました。初期見積もりでは、このサービスによりエンタープライズビジネスの収益が5%以上増加することが明らかになっています。
STCは多くの通信事業者と同様、自らの企業顧客をクラウドサービスプロバイダー(Cloud Service Provider、CSP)に売り渡すことに消極的でした。その代わりに同社は、自社のB2Bサービスエコシステムを徐々に構築し、顧客のロイヤルティを向上させながらエンタープライズアプリケーションビジネスの収益を拡大することを目的として企業ニーズを満たすために、納入、保守、産業向け付加価値サービスなど、より多くのサービスを提供することを選択しました。STCはキャンパスWi-Fiサービスに適した運用モデルを選択するために広範な調査を実施しました。
ファーウェイのエンタープライズビジネスチームは、マネージドWi-Fiネットワークサービスの提供に関連する3つの段階(ネットワーク計画、展開、運用保守(O&M))に最適な方法を分析しました。
従来ネットワーク計画では、必要なアクセスポイント(Access Point、AP)とスイッチの数、ケーブルの敷設方法などの情報を正確に把握するために、現地調査が必要です。サービス展開では、ハードウェアの設置とソフトウェアのコミッショニングのためのエンジニアがオンサイトで同時に作業する必要があります。ハードウェアの設置後、サービスを開始する前に、コミッショニングエンジニアがネットワークのコミッショニングを完了する必要があります。その後のO&Mはさらに面倒です。現地のネットワーク管理センターはすべての問題を解決する必要があります。O&M担当者はネットワークのごく限られた範囲にしか対処できないため、顧客サイトでの一般的な障害はオンサイトで解決するのに2 〜 3日かかる場合があります。このような従来のプロセスの主な問題は、コストが高く、効率が低いことで、これが、多くの通信事業者がマネージドWi-Fiサービスを提供していない主な理由でもあります。
したがって、マネージドWi-Fi管理サービスを可能にするための鍵は、効率を向上させる一連のクラウドツールによるクラウドでの集中型のマルチテナント管理です。まず、クラウドネットワークの計画が不可欠です。企業顧客がマップをプラットフォームにアップロードするだけで、O&Mセンターはプロジェクトの設置計画を完了させることができます。展開と受け入れのゼロタッチプロビジョニング(Zero-Touch Provisioning、ZTP)モデルも重要です。サービスのプロビジョニングとプロジェクトの受け入れを完了するために現地で必要なのは、ハードウェア設置エンジニアだけです。一連のクラウドツールによってサポートされる、それ以降のO&Mは最も重要なタスクです。実際、ネットワークの問題の80%は、リモートネットワーク管理センターで解決されます。
オープンクラウドプラットフォームは、アドオンの販売を通じて企業顧客に付加価値サービスを提供するデータ運用で企業を支援できます。ここにマネージドサービスの価値と利点があり、STCにとっては企業顧客の維持に役立ちます。これを機能させるには、クラウドプラットフォームのローカル展開が重要です。そのため、STCは企業顧客に高品質で管理しやすいWi-Fiサービスを提供するために、独自のクラウドプラットフォームを構築することを決定しました。
STCは10か月に及ぶパフォーマンステストとコンペを実施し、業界をリードするさまざまなクラウドプラットフォームを試用して、それぞれの機能、操作性、STCの要件への適合度を評価しました。そしてSTCは最終的に、ファーウェイのCloudCampusソリューションを選定しました。STCが自社データセンターにこのソリューションを展開し、マネージドWi-Fiネットワークサービスを正式に稼働させてから2年が経過しています。
STCはO&MモバイルアプリとCloudCampusソリューションが提供する幅広い製品が、キャンパスWi-Fiネットワークのマネージドサービスに好都合であることに気づきました。
企業顧客とSTCのO&Mセンターのエンジニアは、モバイルアプリを使用して、いつでもどこでもネットワークのO&Mを行えます。企業顧客が行うセルフサービスO&Mにより、O&Mワークロードの30%以上が排除されるため、O&Mセンターの負荷が大幅に軽減されます。一方、クラウド管理プラットフォームでは、顧客ネットワークパフォーマンスおよびアプリケーションパフォーマンスをリアルタイムで可視化できます。このプラットフォームはAIを活用してネットワークパフォーマンスの傾向を正確に予測し、スペクトル干渉やWi-Fi体験の低下などの一般的な障害を自動的に修復するとともに、各ユーザーおよびサービスの障害の根本原因を直接対象として、高品質のWi-Fi体験を保証します。特筆すべき点として、サービスの稼働以降、政府や企業顧客のネットワーク管理業務が追加されたにもかかわらず、STCのO&Mチームは2年前と同じ規模を保っています。
STCは高トラフィックの屋外シナリオや教室、スタジアム、病院、学生寮などの高密度カバレッジシナリオを含む、さまざまなWi-Fiカバレッジシナリオや屋内オフィスシナリオに対応する一連の製品も必要とします。さまざまなシナリオに対応できる能力により、STCはより多くの政府および企業顧客のプロジェクトを獲得できました。
その一例が、サウジアラビア保健省(Ministry of Health、MOH)のプロジェクトです。MOHは、医療および医薬品の監督、全国の医療機関、2,000を超える一次クリニック、250を超える大病院含む15の下位部局を網羅しています。同省は、統一プラットフォームを使用して全国の病院とクリニックのネットワークを管理し、ネットワークのホスティングサービスも提供できる事業者を探していました。
国の医療情報のセキュリティを確保するために、医療データおよびネットワーク管理データを格納するクラウドストレージが国境を越えないことがMOHの要件でした。
STCは自社データセンターに展開されたCloudCampusプラットフォームを活用して、O&M要員を増やすことなく、わずか4か月でMOHプロジェクトの第1フェーズにおける250を超えるクリニックのネットワーク展開と受け入れを成功裏に完了しました。
リヤドのあるクリニックの事例ですが、O&Mセンターのエンジニアは、クリニックの屋内設計図とMOHが提供するプロジェクトの詳細設計に基づき、ネットワーク計画と事前構成作業をクラウドプラットフォーム上で5分で完了することができました。構成の完了後、設置エンジニアはAPおよびLANスイッチをクリニックに搬入しました。彼らは、設計図に基づくケーブル敷設、機器の設置と電源投入、クラウド管理アプリを使用したデバイスのMACアドレスとシリアル番号のスキャンを含むすべての作業を3時間で完了しました。STCは、エンドツーエンドのネットワーク納入コストを全体として30%以上削減することができました。
プロジェクト第1フェーズの円滑な納入とプラットフォームのコスト削減が評価され、STCは第2フェーズでプロジェクト全体の50%以上を占める800を超えるクリニックおよび病院のマネージドWi-Fiネットワークサービスプロジェクトを受注しました。これらのプロジェクトはこれまでに問題なく納入され、稼働しています。
CloudCampusソリューションと大規模な政府および企業顧客基盤に後押しされ、STCは、マネージドWi-Fiサービスと専用回線をコンペの末に販売することに成功しました。さらに重要なのは、ファーウェイのクラウド管理プラットフォームが、より多くの付加価値サービスとアドオンの販売を可能にする物理的基盤を築き、企業顧客からの価値を完全に引き出しているということです。STCは今日、より多くの企業顧客に高品質のマネージドWi-Fiネットワークを提供できるようになりました。