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  • 将来のビジネスを強化するフォンテラのSAP HANAソリューション

将来を見越して、フォンテラは、ファーウェイやデータコムと共同でSAP HANAで稼働する新たなソリューションの導入を計画しています。この新しいソリューションでは、アジャイル分析による重要な意思決定に対応し、マルチクラウドやこれまでとは異なる場所から動的にビジネスデータを収集できます。

背景

フォンテラ協同組合(フォンテラ)は、ニュージーランドのオークランドを拠点とし、同国の2大酪農協同組合を合併して、2001年10月に設立されました。現在、フォンテラは22,000人以上の従業員を擁し、ニュージーランド最大の企業となっています。同社が輸出する乳製品は、世界の乳製品市場の約30%を占めています。フォンテラの売上高は156億米ドルを超え、乳製品輸出業者としては世界最大です。

課題

フォンテラの長期的なビジネス要件への対応

世界をリードする乳製品企業として、フォンテラの基本的な強みの1つは、完全に統合された包括的なサプライチェーンにあります。フォンテラは、ニュージーランドに1万を超えるサプライヤーを抱え、400台以上のミルク運搬車からなる輸送部隊を有しています。全世界に展開している80か所以上の乳製品工場で乳製品を生産し、100か国以上に販売しています。フォンテラはこうした多数のサプライヤーと顧客のサポートにおいて、同社の企業内ITシステムに依存していました。

現在、フォンテラのすべてのライブネットワークサービスは現地で最大のISPであるデータコム(Datacom)が所有するデータセンターにホスティングされており、両社は緊密に連携しています。SCMシステム、財務システム、顧客管理システム、受注管理システムなど、フォンテラの基幹系の本番アプリケーションは、SAP R3製品とOracleデータベース上で展開されています。しかし、このITアーキテクチャは、性能の最適化が強く求められています。一方、フォンテラのライブネットワークの最下層は、従来のOracleデータベースで展開されており、高いCAPEXが発生しています。また、従来のデータベースのデータ処理性能は、集中型の外付けストレージに大きく依存しているため、リアルタイム処理能力が制限され、性能のボトルネックになる可能性が高くなっています。こうした阻害要因が、フォンテラのビジネスの発展に沿った拡張をますます難しくしています。幸い、2015年にSAP HANAをベースとした次世代の企業向けビジネススイートSAP S/4HANAがリリースされました。そのため、SAPベースの企業向けアプリケーションをアップグレードしたり、新しいITハードウェアプラットフォームを購入したりする場合、フォンテラは、長期的なサービス開発とSAP製品の要件を検討する必要があります。これは、新しいITシステムが性能、信頼性、CAPEX、O&Mの容易さという点で最適なバランスを実現できるようにするためです。

SAP HANAは、SAPからリリースされた高性能リアルタイムデータコンピューティングプラットフォームで、インメモリーコンピューティング技術を基盤としています。しかし、従来のトランザクション型データベースアーキテクチャでは、リアルタイムのビジネスアプリケーションによる大量のデータ処理にプログラムが対応できません。SAP HANAは、処理対象のデータをメモリーに格納し、リアルタイムサービスアプリケーションの計り知れない能力を引き出します。ファーウェイはSAPと緊密に連携してSAP HANAアプライアンスを提供するだけではなく、SAP HANAをベースとした様々な業界別ソリューションやベストプラクティスの開発も進めています。企業にとって、SAP HANAアプライアンスは導入が容易で、サービス開発を実現するうえでなくてはならない存在です。

ソリューション

フォンテラの既存のITシステムと将来の需要を十分評価した後、ファーウェイのSAP HANAアプライアンスソリューションを導入し、ファーウェイの4ソケットのラックサーバー5885H V3に電源を入れるだけの完全なソリューションを実現しました。この革新的なソリューションによって次のような利点がもたらされます。

性能のボトルネックの解消:SAP S/4HANAは、業界最先端のインメモリーデータベースプラットフォームであるため、高性能なハードウェアプラットフォームを必要とします。5885H V3アプライアンスソリューションの特色は、ファーウェイのES3000 PCIe SSDカードを採用してSAP HANAデータベースを高速化している点にあります。ES3000を使用することでSAP HANAのI/O性能が3倍になり、高性能要件にも容易に対応できるようになります。

将来的なニーズの先取り:ファーウェイのSAP HANAアプライアンスソリューションを利用することで、高い可用性と柔軟な拡張性がもたらされ、あらゆるワークロードに容易に対処し、サービス環境の変化にも迅速に対応できるようになり、アジャイル生産を実現できます。これらはすべて生産効率の飛躍的な向上につながります。

サービスとデータの保護:ファーウェイのSAP HANAアプライアンスソリューションの高信頼性ハードウェアプラットフォームとソリューションレベルの信頼性設計により、システムデータやサービスのセキュリティ確保、プラットフォーム障害に起因するダウンタイムの最小化、全体的なシステム性能の最適化を実現できます。

CAPEXの抑制:ファーウェイの5885H V3サーバーは、x86アーキテクチャを基盤とし、業界標準のサーバーコンポーネントを使用して設計・製造されているため、独自アーキテクチャのUNIXサーバーを使用した場合と比べて、購入費用と保守コストを削減できます。

また、ファーウェイは、SAP HANAシステムの導入と保守に関する豊富な経験を有しています。ファーウェイは、SAPやデータコムニュージーランド(Datacom New Zealand)と協力して、最適なサービスプラットフォームとサービスエコシステムによって強化された業界最高水準のコンピューティングプラットフォームをフォンテラが構築できるよう支援します。

SAP HANAアプライアンスの優れた性能とパートナーとの相乗効果により、ファーウェイのSAP HANAアプライアンスがフォンテラの包括的なソリューションとして最適な選択であることが証明されました。

利点

ファーウェイとSAPはデータコムニュージーランドと連携して、SAP HANAをベースとする、使いやすく、拡張性の高い、効率的な財務・サプライチェーンマネジメントシステムの導入においてフォンテラを支援しました。このソリューションによって、迅速かつ容易なリアルタイム支払分析、効率的な口座確認、インサイトに満ちた意思決定が可能になり、その結果、フォンテラは新たなレベルのビジネスアジリティと生産性を実現しました。

たとえば、この3社で協力してPoCを実施し、フォンテラが一連の企業向けアプリケーションのベンチマークを確立できるよう支援します。また、ファーウェイ製品の性能と信頼性における優位性を最大限に活用し、フォンテラの現在のサービス要件を満たす最適なソリューションを構築します。さらに、このソリューションはフォンテラのビジネスの最適化を将来的にも後押しし、長期的なビジネス要件にも対応します。ライブネットワークをSAP HANAアプライアンスに移行したことで、フォンテラは毎月およそ100万米ドルのコストを削減できる見込みです。

3か月にわたる厳格なPoC試験を経て、このシステムは、2016年Q4に正式にサービスインし、すべての指標が完璧に顧客の要件を満たしました。その結果、フォンテラは、第2段階のシステムアップグレードと再構築に向けて、ファーウェイや同社のパートナーとの協業の継続を決定しました。フォンテラのグローバルインフォメーションソリューショングループでSAPプロジェクトテクニカルリーダーを務めるアンドリュー・ファイド(Andrew Faid)氏は次のように述べています。 「フォンテラは、将来を見据えて、ファーウェイやデータコムと共同でSAP HANAで稼働する新たなソリューションの導入を計画しています。この新しいソリューションでは、アジャイル分析による重要な意思決定に対応し、マルチクラウドやこれまでとは異なる場所から動的にビジネスデータを収集できます」

2017 SAP HANAイノベーションアワードのスペシャルアワード部門特別賞のトロフィー

このプロジェクトが評価され、ファーウェイは「SAPPHIRE NOW」において、2017 SAP HANAイノベーションアワードのスペシャルアワード部門で特別賞を受賞しました。SAPPHIRE NOWは、世界有数のビジネステクノロジーイベントであり、SAPの顧客が運営する最大規模のカンファレンスで、2017年5月に米国フロリダ州オーランドで開催されました。ファーウェイがこの栄誉ある賞を受賞できたのは、SAP HANAプラットフォームとテクノロジーソリューションにおける同社のリーダーシップと貢献が認められてのことでした。ファーウェイは将来を見据えて、SAP HANAを利用した業界別ソリューションにおけるイノベーションへの投資とパートナーとの協業を継続し、お客様のために高性能なソリューションを開発する予定です。

SAPPHIRE NOWにて、左からファーウェイのアラン・ネヘミヤ、同社のジェームズ・ワン、ジョン・カークマン

SAPPHIRE NOWで2017 SAP HANA®イノベーションアワードを受賞。写真左から:ファーウェイエンタープライズチャネル ディレクター(NZRO)のアラン・ネヘミヤ(Alan Nehemia)、米ファーウェイ研究開発部門主席アーキテクトのジェームズ・ワン(James Wang)、データコムシニアアーキテクトのジョン・カークマン(John Kirkman)氏

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