ストレージ製品の最強助っ人―FusionStorage
このサイトはCookieを使用しています。 サイトを閲覧し続けることで、Cookieの使用に同意したものとみなされます。プライバシーポリシーを読む>
企業ユーザー向け製品、ソリューション、サービス
岐路に立つデジタル時代の銀行
第1世代と第2世代の銀行は主に実店舗とネットバンクサービスを中心としてきました。第3世代の銀行はより進化し、物理的なインフラに頼らない消費者中心の仮想サービスを提供して、いつでもどこでもサービスを利用できる環境を構築することに注力しています。
招商銀行(以下、CMBという)は自らを「FinTech銀行」として位置づけており、銀行の軽量化を図り、モバイルバンキングを切り口に、よりインテリジェントな情報サービスの提供に取り組んでいます。ビッグデータを活用することでより素早い経営判断を行い、またクラウドインフラでよりアジャイルな開発テストシステムを築くことで、利用者の多様なニーズに応える各種アプリケーションを提供することを目指しています。
そのために同社のIT部門はクラウドとビッグデータを2つの重要な開発方向として認識し、クラウドコンピューティングを通じてITインフラを、ビッグデータ技術を通じてカスタマーエクスペリエンスを再構築します。
持続的イノベーションとビジネス変革
ファーウェイはCMB向けに最新のIaaSフレームワークを提案しました。このフレームワークでは、オンデマンドでリソースを利用でき、サービスを素早く展開できるオープンかつフレキシブルなクラウドプラットフォームを構築します。このIaaSプラットフォームは複数ベンダーで構成されるため、特定ベンダーに依存することはありません。この計画を実現するには拡張性と互換性に優れたストレージリソースプールが必要になります。
CMBはストレージプールを開発テスト、チャネルアクセス、レポート作成、データベースシステム、さらにはビックデータプラットフォームに適用したいと考えています。しかしサービスシナリオによってストレージシステムへのアクセスモードが異なり、さらにデータ読み取り/書き込みモデルやアクセスプロトコルも一様ではありません。たとえば、開発やテストシステムには遅延にそれほど高い要求がなく、従来のミッドレンジアレイで十分です。銀行チャネルは3つのカテゴリに分類されます。
チャネルシステムのストレージ処理能力は、数千万のユーザーアクセスには3万IOPSを必要とし、億単位のユーザーの場合は数十万IOPSを必要とします。さらにデータベースとレポートサービスの場合はIOPS性能と遅延に関する要件がより厳しくなります。ストレージについてはオンデマンドで使える柔軟さが求められ、さらに仮想プラットフォームと物理的プラットフォームが並存するため、従来のストレージシステムでは実現に大きな課題があります。
ファーウェイのFusionStorage分散型クラウドストレージは新型ストレージリソースプールを提供し、幅広いHypervisor互換性を持ち、CMBが主に使用しているVMware vSphereとファーウェイのFusionSphereクラウド環境をサポートするため、ベンダーに縛られることはありません。FusionStorageは以前のサイロ型ストレージからプール型に進化し、開発テストやチャネルアクセス、データベースアプリなどにストレージサービスを提供します。数百台のx86サーバーで仮想化され、かつスケールアウト可能なストレージプールを構成し、サービスの増加に応じてサーバー単位で線型的に拡張できます。
ストレージシステム内の各ノードは、コンピューティング機能とストレージ機能の両方を備えており、レイヤごとのリードキャッシューメカニズムによりデータアクセスの時間を短縮します。シングルノードは最大20万IOPSをサポートでき、同種製品に比べ、対応できるアプリは30%多くなります。現在CMBで構築したクラウドリソースプールはすでに2億人ユーザーの同時アクセスを実現しています。
変革
事業変革を進めるうえで真っ先に改善すべきはストレージ環境です。CMBのこれまでのサイロ型ストレージ構造とデータ処理プラットフォームは、実店舗をメインにネットバンクをサブにした時代では順調にサービスを展開してきましたが、その逆になった場合、従来のストレージシステムでは処理能力が追いつかなくなります。たとえば数年前にモバイルバンキングのユーザーが3000万人を超えたとき、Wechat(中国版LINE)アプリのラッキーマネー(お年玉という意、お金のやりとりができるチャット用送金機能)ユーザーは2億人を超えました。11月11日(独身の日)にモバイルバンクの取引件数は1000万件を超え、Wechatラッキーマネーの取引件数はその1000倍に達しました。
突発的な高トラフィックサービスに柔軟に対応
億単位の超大規模ユーザーの同時アクセス、突発的なイベントなどによるアクセス集中が生じた場合、柔軟に対応できるストレージシステムが必要となります。従来のストレージは先にRAIDを構築し、LUNに分割してから外部にサービスを提供します。システム全体の性能には余裕があるが、いずれのRAIDグループも要件を満たせない場合、RAIDとLUNを調整しなければなりません。時間によって必要なパフォーマンスが異なるため、システムは最高の性能を実装するよう設計されていますが、その最高の性能が利用される時間が限られ、多く場合はリソースが有効活用されないままになっており、また頻繁にシステム設定を変更するのも運用にリスクをもたらします。そのために、従来のストレージシステムではインターネットサービスの爆発的増加に対応しきれなくなっています。
一時的なサービス急増に対して、FusionStorageはきめ細かなリソース配分とQoSコントロールを通じてそのサービスに最適なリソースを割り当てます。さらに一部のアプリの特定のシナリオでは、より多くのリソースを獲得できるように設定することが可能な特殊リソース割当モードも用意されています。たとえば、突発なトラフィック急増に対応するために、リソースプールのIOPSと帯域幅を優先順位に従って適切にリソースを割りあて、短時間で容量の小さいクラウドハードディスクに高性能を与えます。ハードウェアのスケールアウト後、上位レイヤのアプリケーションリソースプールが容量と性能が自動的に増強されます。また、管理が容易になり、それまで必要だったRAIDとLUNの調整時間を省くことができ、リソースの割り当てと回収時間は数分以内に抑え、アジャイル開発を可能にします。FusionStorageが従来のシステムと比較して、リソース運用効率を10倍以上引き上げることができることがすでに実証されています。
進化し続ける分散型クラウドストレージ
クラウドコンピューティングはCMBのデータセンターでは幅広く使われるようになっています。FusionStorageはVMの高速展開機能により、VMの一括作成、プロビジョニング、マウントを実現し、ストレージリソースのプロビジョニング効率を上げることで企業は新規アプリサービスを素早く開始できます。ハードウェア、ノード、ラック単位またはプール単位でのスケールアウト、ボリュームまたはノード単位でのスケールダウンの両方をサポートします。アプリケーションニーズに応じたインフラアーキテクチャの柔軟な変更、製品寿命を迎えたハードウェアのオンライン交換が可能です。その際アプリケーションを中断することも、データの移行も必要ありません。
FusionStorageと従来のストレージの最大の違いは拡張機能にあります。FusionStorageをクラウドデータセンターに展開した後は、クラウドセンター内のすべてのハードウェアを任意のサービスに割り当てることができます。システム全体の機能と容量の要求を満たせば、別途パフォーマンスの調整は不要です。頻繁な構成によってシステムが故障するリスクを最小限に抑えます。
CMBが実施したシステム評価によると、クラウドリソースプールを構築するために従来のストレージを使用する場合、ハードウェアの保守期限が切れると、よりハイエンドな大容量の次世代製品を購入する必要があり、その際、データ移行により発生する費用は百万円以上に達する可能性があります。一方、FusionStorageを使う場合、保守期限が切れたハードウェアだけを交換すれば、データは自動的に同期され、サービスを中断せずにリプレイスできます。それによって高額な移行費用を節約し、サービス中断のリスクも回避できます。
従来のマルチストレージの管理に取って代わり、FusionStorageは新しい管理プラットフォームにより、分散型クラスターを一元的に管理し、運用を簡素化します。これにより、効率化とリソース運用の最適化を実現し、保守期限内でお客様のTPOを約40%削減できます。CMBはファーウェイのクラウドストレージで「サービスの高速展開、スピーディな製品開発、事業の拡大」という目標を実現できました。
CMBもファーウェイのFusionStorageを次のように高く評価しています。「ファーウェイの分散型クラウドストレージの性能はたいへん優れています。サーバー数が増えるにつれパフォーマンスも直接的に向上しています。稼動状態から見れば、分散型ストレージは信頼性やパフォーマンスの面では従来のストレージに負けません。今後CMBは分散型ストレージを有効活用し、基幹サービス以外の分野における割合を増やしていきたいです。分散型ストレージを使用してストレージシステムのクラウド化を促進し、ITインフラのクラウド化を実現していきます」