トランステック(Transtec)は、ファーウェイと緊密に連携して、EPFLに最高品質のシステムを提供し、高性能コンピューティング分野における私たちの要望に応えてくれました。ファーウェイのエンジニアが提供する優れたハードウェアソリューションと、トランステックが提供する専門的な計画、導入、構成サービスに感銘を受けています。

EPFL SCITAS部門執行役員 ヴィットリア・レッツォーニコ(Vittoria Rezzonico)氏

HPCはさまざまな分野で利用されています。たとえば、航空力学や宇宙技術開発、長期気候予測、高精度天気予報、海流計算、大気と水質の汚染に関するシミュレーション分析、洪水と地震の予知、エンジン設計や金型設計、バイオ医薬品設計、風洞シミュレーションテスト、石油探査、新素材研究などが挙げられます。

現在、HPCが急速な発展と多方面への拡大を続けている理由には、次の2つがあります。

  • 需要:

    このデータ時代にあって、データ量が増加し、データ分析の効率性向上が求められるなか、演算能力の強化が求められています。

  • テクノロジーの発展:

    近年のITの急速な発展によって、HPCの強力な演算能力を低コストで利用できるようになり、人的リソースや物的リソースに高い費用をかけなくてもよくなりました。こうした2つの要因の相互作用により、HPCを導入することで改革の恩恵を受ける産業が増えていきます。

典型的な例は高等教育機関です。統計によると、2017年6月に発表された世界のHPCクラスターの上位500のうち41が大学で、その割合は8%を超えています。高等教育機関がHPCをそれほど強く求める理由は何でしょうか。その理由はHPCが普及している理由と似ていますが、高等教育機関にはさらに目立った特長があります。

自動車製造業界を例にとると、自動車メーカーはHPCを使用して自動車を設計します。大学でも関連性の高いカリキュラムを設けているためHPCを使用する可能性があります。両者ともHPCに対する需要があります。両者の違いは、メーカーでは自動車の設計のみにHPCが使用されているのに対し、大学では物理学、化学、生物学にHPCが使用されていることです。つまり、企業に比べて、大学ではHPCが多方面に適用されています。そのため、HPCは高等教育機関で急速に発展しているのです。

EPFLの課題

ここで、高等教育機関におけるHPCの使用方法をさらに探るために、1つの事例を紹介します。スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)です。EPFLは、世界トップクラスの大学であり、QS世界大学ランキングでは12位です。工学と自然科学分野に定評があり、120を超える国と地域から学生、教員、職員が集まっています。業界最先端の科学研究レベルを維持するために、EPFLはすべての学生や教師が利用できる最初のHPCシステムを2008年に構築し、継続的に改善を図っています。

EPFLでは、リソースが不十分になったことから、今後の競争力強化のために2016年から、HPCシステムのアップグレードと拡張を計画しています。ファーウェイは詳細分析を繰り返し実施し、408台のFusionServer XH620サーバーをコンピュートノードとして展開するソリューションを考案しました。

EPFLでは、リソースが不十分になったことから、今後の競争力強化のために2016年から、HPCシステムのアップグレードと拡張を計画しています。EPFLは、HPCベンチマーク、HPLテスト、HPCGテスト、科学や工学、生物学、医療の各分野のさまざまなアプリケーションなど、満たすべき項目がすべてリストアップされています。これらのアプリケーションは、すべて適切に動作し続ける必要があります。

他にも多くの必須要件があります。理論的な演算能力が475TFLOPS以上、共有ストレージが340TB以上、リード/ライト帯域幅が最大40Gbps、キャビネットが8台以下、キャビネット1台あたりの消費電力が25kW以下であることなどです。また、システムはオープンで、管理しやすく、拡張性がなければなりません。パートナーはテクノロジーの将来を見据え、EPFLが5PFLOPSのHPCクラスターを今後5年で構築するのに十分な支援を提供できなければなりません。

ファーウェイのソリューション

特定の要件を満たすことは簡単ですが、すべての要件を満たすことは簡単ではありません。プレッシャーのないところに前進はありません。ファーウェイは、トランステック(Transtec)と詳細分析を繰り返し実施して、ソリューションを考案しました。ネットワークのトポロジー図は以下のとおりです。

EPFLでは、リソースが不十分になったことから、今後の競争力強化のために2016年から、HPCシステムのアップグレードと拡張を計画しています。ファーウェイは詳細分析を繰り返し実施し、408台のFusionServer XH620サーバーをコンピュートノードとして展開するソリューションを考案しました。図の編集:NSD x 6、FCスイッチ x 3、SAN x 6、16Gbps FC

このソリューションでは、408台のFusionServer XH620サーバーをコンピュートノードとして展開します。各ノードには、Intel Xeon E5-2690 v4 CPUを2基搭載し、理論的な演算能力は最大475.2TFLOPSに達します。InfiniBandネットワークを利用し、2層Fat Treeネットワーク技術を採用しています。ストレージシステムは、6台のOceanStor 5800システムとGPFS(General Parallel File System)で構成され、容量は350TBにのぼります。

EPFLのソリューションでは、ファーウェイの先進的な製品やテクノロジーが多数採用しており、目覚ましい成果を実現しています。たとえば、FusionServer X6800高密度サーバーを採用したことで、キャビネット1台あたりの演算能力が70%向上し、キャビネット数を40%削減できました。FusionServer X6800サーバーを使用した場合、8台のコンピュートノードと16基のCPUを収容するのに4Uの筐体が1台必要になります。通常の1Uの2ソケットサーバーの場合、8Uの筐体が1台必要です。結果として、408台のコンピュートノードを収容するのに必要なキャビネットは10台ではなく、わずか6台で済みます。FusionServer X6800は、熱放散設計とダイナミック電力管理テクノロジー(Dynamic Energy Management Technology、DEMT)を採用することで、従来のラックサーバーより、消費電力を10%~20%削減できます。さらに、これ以外の機能も備えています。

このソリューションは、高い効率性、性能、拡張性、管理の容易さにより、広く評価され、導入が進んでいます。実際のアプリケーションでも、このソリューションはユーザー要件を完璧に満たしており、402TFLOPSの演算能力を達成し、演算効率が89.3%向上しました。

EPFLでは、リソースが不十分になったことから、今後の競争力強化のために2016年から、HPCシステムのアップグレードと拡張を計画しています。ファーウェイは詳細分析を繰り返し実施し、408台のFusionServer XH620サーバーをコンピュートノードとして展開するソリューションを考案しました。図の編集:NSD x 6、FCスイッチ x 3、SAN x 6、16Gbps FC

2017年6月、EPFLのSCITAS部門が開発したFidis HPCクラスターの展開に成功したことを発表したEPFLとファーウェイ

EPFLのSCITAS部門執行役員のヴィットリア・レッツォーニコ(Vittoria Rezzonico)氏は、インタビューのなかで次のようにファーウェイを称賛しました。「トランステックは、ファーウェイと緊密に連携して、EPFLに最高品質のシステムを提供し、HPC分野における私たちの要望に応えてくれました。ファーウェイのエンジニアが提供する優れたハードウェアソリューションと、トランステックが提供する専門的な計画、導入、構成サービスに感銘を受けています」

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