COFCO(中糧集団)とコカコーラ(Coca-Cola)の合弁会社であるCOFCOコカコーラ(中糧可口可楽飲料)が生産するコカコーラやスプライト、ファンタなどのドリンクを飲んでいるとき、ファーウェイのICTが製造、販売、流通を裏で支えていることを意識している人はほとんどいないでしょう。

急務となった一元的なネットワークインフラストラクチャの整備

2000年、いずれもフォーチュングローバル500にランクインしているCOFCO(中糧集団)とコカコーラ(Coca-Cola)は、共同でCOFCOコカコーラ(中糧可口可楽飲料)を設立しました。株式の保有率はCOFCOが65%、コカコーラが35%です。COFCOコカコーラは、中国で中国資本の企業が管理している唯一のコカコーラボトリンググループです。目下急成長中であり、世界のコカコーラのボトリングカンパニーでもトップ10に入ります。現在、COFCOコカコーラは中国全土の81%、そして中国の人口の51%に自社で生産する飲料を届けています。

COFCOコカコーラの業務システムは、以下に示す3つの部分で構成されています。

  • 販売データ、物流、オフィスオートメーション(Office Automation、OA)、および外部との連絡管理システムを含むフロントエンドアプリケーションシステム

    これらのシステムは、日々の飲料販売、小売店巡回、物流、出荷などの業務をサポートします。顧客からの受注後、運送ドライバーは倉庫アプリケーションシステムを使用してオーダーに簡単に優先順位を付け、最適な運送ルートを決定します。システム内蔵のマップ機能およびナビゲーション機能を使うことで、流通業者や小売店に迅速かつ正確に飲料を届けることができます。

  • 企業資源計画(Enterprise Resource Planning、ERP)

    COFCOコカコーラでは、SAP ERPセントラルコンポーネント(ECC)を採用しています。SAP ECCのコアコンポーネントには、財務管理、販売管理、生産計画、資材管理、工場保守、人材管理、顧客関係管理(CRM)などが含まれています。CRMは、フロントエンドアプリケーションシステムと連携し、発注や価格設定、パートナー管理、サービス管理といったさまざまな処理を可能にします。

  • ポータル、報告システム、データウェアハウス

    最先端を誇るCOFCOコカコーラの業務システムですが、レガシーネットワークインフラストラクチャはサイロ化されており、多くの基幹業務システムは別々に展開されていました。業務の種類と範囲が広がるにつれ、従来のアーキテクチャでは不十分であることが明らかになってきました。複雑なO&Mと、アップグレードや拡張の困難さが、移り変わりの激しいサービスニーズに対応するための新たなサービス展開をはばんでいました。COFCOコカコーラには、ネットワークインフラストラクチャの早急な統合化に迫られていました。

COFCOコカコーラの情報管理部門のリー・ジーホン(Li Zhihong)氏は次のように述べています。 「従来のネットワークインフラストラクチャでは、ICT変革戦略に対応できませんでした。1年ほど調査した結果、企業プライベートクラウドプラットフォームを構築し、クラウドインフラストラクチャを使用して、ERPやCRMなどの基幹業務システムをサポートすることに決めました」

ハイパーコンバージドアーキテクチャを使用したプライベートクラウドプラットフォームの構築

これまで、COFCOコカコーラではミッドレンジコンピュータを使用していました。現在、そのCPU性能はx86ベースのアプライアンスによって向上しています。また、ファーウェイ製品をはじめとする最新のアプライアンスが高度に統合されています。そこには、コンピューティングユニット、ストレージユニット、ネットワークユニット、仮想化ソフトウェアなどが組み込まれています。

CPU性能、統合レベル、費用対効果、アプライアンスのROIなど複数の要素を検討した結果、COFCOコカコーラが最終的に選んだのは、ファーウェイのFusionCubeコンバージドアプライアンスソリューションでした。これに加え、サーバーには、ファーウェイのFusionServer、ストレージシステムには、ファーウェイのOceanStor 5500 V3ストレージシステム、クラウド運用システムにはファーウェイのFusionSphereが採用されました。

リー氏は次のように述べています。 「多くの市場調査において、ファーウェイがアプライアンスやストレージ、サーバー市場でシェアを拡大していることが示されていました。ファーウェイがその分野に優れているという評価に、私も強く同意します」

ファーウェイのFusionCubeは、柔軟なプライベートクラウドプラットフォーム機能を実現するハイパーコンバージドインフラストラクチャです。FusionCubeによって、COFCOコカコーラはリソースプーリングプラットフォームを一元化し、CRM、OA、企業メールなどの基幹業務システムを含む業務システムのニーズを効率よく満たせるようになりました。さらに、ITリソースを効率的かつ柔軟に展開することも可能になりました。

FusionCubeは、コンピューティング、ストレージ、ネットワークリソースを統合した革新的なアーキテクチャを採用しています。高性能コンピューティングプラットフォーム、高速スイッチングネットワーク、分散型パラレルストレージシステム、仮想化クラウドソフトウェアがあらかじめ統合されているため、柔軟なITサービスの展開、拡張、移行が可能です。FusionCubeは、データセンターの費用対効果を高める鍵となります。

ファーウェイのOceanStor 5500 V3ストレージシステムは、マルチコントローラー、Active-Active SAN、NASノードの統合を実現します。この統合された機能により、より高性能かつ低遅延で、柔軟性の高いストレージシステムを手に入れたいというCOFCOコカコーラの願いを叶えることができました。

ファーウェイのFusionSphereは、幅広い業種のお客様向けに設計された、OpenStackベースのクラウド運用システムです。優れた仮想化およびリソースプール管理、豊富なクラウドインフラストラクチャコンポーネントおよびツール、オープンなAPIが特長です。FusionSphereは、COFCOコカコーラがデータセンターの物理リソースと仮想リソースを水平方向に集約し、業務プラットフォームを垂直方向に最適化するうえで役立っています。

安定した効率的な事業運営

日用消費財(FMCG)業界の企業は、急速な事業拡張に対応できなければなりません。FMCG業界をリードするCOFCOコカコーラは、業務システムとオフィスシステムを迅速に立ち上げ、効率よく実行し、高い費用対効果を実現する必要がありました。さらに、製造業の厳しいシステム安定性要件を満たせるよう、システムの安定性も求められます。

高密度なハイパーコンバージドインフラストラクチャを特長とするファーウェイのFusionCubeは、COFCOコカコーラに大きな利益をもたらしました。以下は、その一例です。

  • サービス展開の所要時間を60%以上短縮し、新規サービスの迅速なロールアウトを実現

  • マシンルームの占有面積を70%以上削減

  • データセンター管理コストを30%削減

  • データベースの読み取り/書き込み操作を最適化することで、基幹サービスのパフォーマンスを約10倍に向上(読み取り/書き込み時間を4.5ミリ秒から0.42ミリ秒に短縮)

ファーウェイのFusionServerにより、COFCOコカコーラは、サーバーの応答時間を900ミリ秒から600ミリ秒に削減し、ERPレポートの応答時間を4,100ミリ秒から1,700ミリ秒に削減しました。また、ファーウェイのFusionSphereにより、仮想化の展開に対するニーズを満たすだけではなく、クラウドコンピューティングの導入や利用にあたっての利便性も高めました。

ファーウェイのICT製品を展開、運用し始めて以降、COFCOコカコーラの基幹業務システムの信頼性は99.9%を超え、年間のダウンタイムは8時間を切りました。これは、COFCOコカコーラの基幹業務システムの安定性要件を満たす優れた結果であり、効率のよい事業運営の実現に寄与しています。

プライベートクラウドプラットフォームの構築は、COFCOコカコーラのデジタル変革の第一歩に過ぎません。同社は、さらなるデジタル変革を計画してします。たとえば、センサーとIoT技術を利用した、生産ラインの設備と基幹業務システムの統合がこれにあたります。ビッグデータを活用して、予防保守の実現や、生産・販売予測の向上を目指すことも検討しています。

リー氏は次のように語っています。 「ファーウェイはFusionCubeをはじめとする一連のICTインフラストラクチャソリューションを提供してくれました。いずれも私たちの事業展開に対するニーズに最適で、ICT変革戦略に沿ったものでした。今後もファーウェイとの連携を強化していきたいと思います」

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