このサイトはCookieを使用しています。 サイトを閲覧し続けることで、Cookieの使用に同意したものとみなされます。 プライバシーポリシーを読む>

検索
  • 多根総合病院、将来性のあるWi-Fi 7のネットワークインフラを構築

    多根総合病院、将来性のあるWi-Fi 7のネットワークインフラを構築

    電波強度の可視化などにより信頼性が高く安定した高速通信環境を実現

社会医療法人きつこう会多根総合病院は、デジタルトランスフォーメーション(DX)のインフラ整備として、ファーウェイのWi-Fi 7アクセスポイント(AP)「AirEngine」を導入。無線ネットワークを構築した。将来を見据え最新規格のWi-Fi 7を採用したことで、通信速度の高速化が図られ、長期にわたり運用できるようになった。特に、高い世界シェアに裏打ちされたファーウェイの技術力や、開発から製造まで一貫して自社で行うことによる信頼性、安定性、そして優れたコスト効率は、経営にも寄与するメリットを生み出している。

社会医療法人きつこう会 多根総合病院
左から、華為技術日本株式会社 法人ビジネス事業本部 公共ヘルスケア営業部 プロダクトマネージャー 孫 晗
同 公共ヘルスケア営業部 部長 張 大全
多根総合病院 社会医療法人きつこう会 経営企画本部 副本部長 情報システム部 部長 直江 幸範氏
同 理事長 多根 一之氏
華為技術日本株式会社 執行役員 法人ビジネス事業本部 西日本統括本部 本部長 山本 憲
同 西日本統括本部 第1営業部 部長 渡邉 陽司

DXに向けて最優先でインフラを整備

多根総合病院は、大阪市西部地区(西区、大正区、港区)の急性期医療を一手に引き受けている304床の地域中核病院である。同院では現在、医師の働き方改革や生産年齢人口の減少に伴う将来的な医療従事者の人材不足を見据えて、DXの動きを加速させている。

直江氏は、「単なるITやデジタル技術の導入ではなく、既成概念を変えることがDXだと捉えて取り組んでいます」と述べる。さらに言葉を継いで、「この視点から、看護師の業務に着目しており、根本から働き方を変えたいと考えています。例えば、海外では、点滴残量がシステム上で一元管理されていたり、スマートウォッチでバイタルサインが自動で計測、記録されていたりするなど、無駄を排し、効率的に看護業務を行っています。当院がこうした取り組みをするには、インフラを整備することが最優先だと考えています。将来性のある安定したインフラを構築すれば、今後の技術革新にも柔軟に対応できます」と強調する。この考えの下、2024年9月にファーウェイのWi-Fi 7 AP「AirEngine」を導入。最新規格による将来性と拡張性のある無線ネットワークを構築した。

豊富な特許と高い世界シェアに裏打ちされたWi-Fi 7技術

Wi-Fi 7は、従来のWi-Fi 6をさらに進化させた最新の無線規格である。日本では2023年12月に認可された。その特長は、最大46Gbpsの通信速度、最大帯域幅320MHzのワイドバンド、4096QAMの変調方式、2.4/5/6GHzの帯域を組み合わせて通信するMLO(Multi-Link Operation)、周波数のリソース使用率を向上するMRU(Multiple Resource Unit)といった技術の採用だ。これにより、Wi-Fi 6の約4倍(理論値は約5倍)の高速通信、複数のデバイスを使用しても安定かつ低遅延の通信が可能となる。

一方で、Wi-Fi 6と比較してイニシャルコストが割高であるというデメリットがある。そのため同院も、当初Wi-Fi 7だけでなくWi-Fi 6でのネットワーク構築も視野に入れており、選定に当たっては、複数の企業から提案を受けたという。検討の結果、ファーウェイから提案のあったWi-Fi 7の無線ネットワークが最も低コストで導入できるということになった。

低コストの理由は、中国深圳(シンセン)市にある。ファーウェイはここを本拠地として本社をはじめ研究開発施設、工場などを構えており、開発から製造までを一貫して自社で行っている。このため、確かな技術力によって高品質な製品を開発、製造し、それを適正価格で提供することが可能である。特に、Wi-Fiに関しては、多数の特許を有しているのが強みだ。2024年のエンタープライズ市場におけるWi-Fi 7のシェアは、世界ナンバーワンを獲得している。

さらに、将来性や拡張性の高さもファーウェイのWi-Fi 7を採用する決め手になったという。直江氏は、「現在多くの施設で医療機器や情報システムの買い換え期間が長期化しています。長期間使用する可能性を考慮すると、最新規格のWi-Fi 7を導入することは重要なポイントでした。加えて、ファーウェイのAirEngine APは、W-Fiだけでなく、BluetoothやRFID、ZigBeeなどの通信規格にも対応しています。今後、通信機能のある医療機器やIoT機器を導入して医療DXを進める上で、AirEngineにAPを集約できることは、低コストで柔軟にシステムを構築することにもつながります」と明かす。

社会医療法人きつこう会 法人本部経営企画 本部副本部長 情報システム部部長 直江幸範氏
直江幸範氏は既成概念を打破する医療DX に向けWi-Fi 7を導入したと説明する

安定した高速通信環境を実現しスマートフォンの通話もWi-Fiで

2024年9月から運用を開始した多根総合病院の無線ネットワークは、順調に稼働している。12階建ての本館と2階建てのがん診療棟の各階にAirEngine APが複数配備されている。ネットワークは、VLAN(Virtual Local Area Network)で「医療系」「スタッフ系」「患者系」に分割して、安全性と利便性を両立。医療系ネットワークは、端末ごとにIPアドレスを固定してセキュリティを確保している。また、端末がWi-Fi 7対応でなくても高速通信が可能で、データ量の多いDICOM画像もストレスを感じることなく表示することが可能だ。

一方、インターネット接続は、スタッフ系ネットワークを使用している。高速通信により、オンライン会議や動画視聴においても遅延が生じることはないという。また、ローミングにおいてもAP間を速やかに切り替えることで、移動中に通信を途切れることがない。特に、医師や看護師などは移動範囲が広く、移動しながらシステムにアクセスする機会もある。このような場合でも、利用者は安心して業務に集中できる。

さらに、同院では、2025年8月にPHSからスマートフォンに切り替え、音声通話も無線ネットワークを使用する予定だ。直江氏は、「Wi-Fiでの通話が不安定で、SIMを導入したという他施設の事例を多く耳にします。当院の場合、ファーウェイが無線ネットワークを設計して、建物内のどこでも通話が可能なように電波強度の高い環境を構築できました」と述べる。ユーザーのニーズに応える提案ができることもファーウェイの強みだと言えよう。

多根総合病院におけるWi-Fi 7の構成図
多根総合病院におけるWi-Fi 7の構成図

通信状態を可視化しAIで自動的に通信環境を最適化

ファーウェイのWi-Fi 7無線ネットワークは、多根総合病院の経営にも寄与するメリットも生んでいる。その一つがWi-Fi 7と同時に導入したネットワーク分析プラットフォーム「i Master NCE-CampusInsight」による通信状態の可視化だ。電波強度と通信トラフィックをモニタリングでき、人工知能(AI)によって通信トラフィックを解析。電波強度を自動調整して、常に最適な状態にする。これにより、高速通信を安定化させて、遅延が発生しないようにしている。さらに、障害発生時にも、原因を特定して速やかに対応することが可能である。直江氏は、そのメリットを次のように説明する。

「ネットワーク障害が発生すると、当院の職員やベンダーのサポートスタッフが、時間をかけて原因を特定していました。それが、障害の原因を可視化できるようになり、迅速な対応が可能になりました。これはマンパワーの観点からも有用です」

また、iMaster NCE-CampusInsightは、サイバー攻撃対策も万全である。直江氏は、「外部からのパケット量が異常な値になるとポートを自動的にシャットアウトします。この機能により、被害を限定的にできるのは心強いです」と述べる。加えて、同院ではログデータを収集しており、サイバー攻撃時に感染経路の特定のために解析できるようにしている。サイバー関連の特許数でも世界第2位(2023年時点)のファーウェイだけにセキュリティ技術にも一日の長があり、直江氏は全幅の信頼を置いている。

高速通信に加えてこのような信頼性の高さを踏まえ、同院では院内のネットワークについて、将来的に無線をメインにすることを検討している。有線の場合、配線などの工事費用が発生するためにコストがかさむが、無線ならばその作業が不要となり、イニシャルコストを抑えることができる。さらに、ファーウェイのWi-Fi 7ならば信頼性が高く、管理も容易なことからランニングコストも優れており、長期的な視点からも経営に貢献すると言えよう。

低コストかつ短期間で、将来性のあるインフラを構築

医療DXを進める上で、最優先でインフラの整備に取り組んだ多根総合病院では、白眉のAirEngine Wi-Fi 7ネットワークソリューションにより、高速かつ安定した無線通信環境を実現し、経営にも良い影響を与えている。今後のこのインフラ上で、「攻め」の医療DXに取り組んでいく。

直江氏は、「DXで重要なのは、自院の課題を明確にすることと、既成概念を打ち破る発想です。今回、低コストかつ短期間で、将来性のあるインフラを構築できたのは、新しいことを始める上でも非常に価値があります」と力説する。その上で、「ファーウェイは、特許技術も多く、研究開発の人材も豊富だと思います。ぜひ、既成概念を打破し、イノベーションを起こす製品を世に送り出してほしいです」と期待を示した。同社の製品が、多根総合病院だけでなく多くの医療機関において、課題解決の一助となる日も遠くないだろう。

「DXで重要なのは、自院の課題を明確にすることと、既成概念を打ち破る発想です。今回、低コストかつ短期間で、将来性のあるインフラを構築できたのは、新しいことを始める上でも非常に価値があります」

社会医療法人きつこう会
法人本部経営企画 本部副本部長
情報システム部部長

直江幸範氏

TOP