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    基幹ネットワークとストレージを刷新、ファーウェイ製品でベストなインフラを実現 - 岡崎自然科学研究機構

国立大学法人設置法により設置された自然科学分野の国際研究拠点、自然科学研究機構(NINS)。各大学が個別に購入できないような研究設備を導入し、全国の大学などの研究者に共同利用・共同研究の場を提供している。NINSは国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所という5つの研究組織で構成されており、このうち基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の3研究所は愛知県岡崎市(明大寺地区と山手地区)にキャンパスを設けていることから、岡崎3機関と呼ばれている。
 

左からファーウェイジャパン 陶垚(トウヨウ)、同 遠藤秀樹、自然科学研究機構 分子科学研究所 計算科学研究センター技術職員 澤昌孝氏、同岡崎情報ネットワーク管理室 大野人侍氏

左からファーウェイ・ジャパン 陶垚(トウヨウ)、同 遠藤秀樹、自然科学研究機構 分子科学研究所 計算科学研究センター技術職員 澤昌孝氏、同岡崎情報ネットワーク管理室 大野人侍氏

5年後まで陳腐化しないネットワーク構築を目指す

岡崎3機関では5年に1度、ネットワークを更改している。そのための入札仕様書を作成したのが、岡崎情報ネットワーク管理室の大野人侍氏である。22年4月1日の更改に向け、大野氏は20年11月より、入札仕様書を作成するため資料招請を開始した。

更改にあたり、課題と考えていたのがセキュリティと無線LANの強化である。「特に無線LA Nへは強い要求がありました」と振り返る。当時敷設していた無線LANのアクセスポイント(AP)はWi-Fi5に対応し、2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルラジオをサポート。しかし、「MIMO(Multi Input Multi Output)には対応していませんでした」(大野氏)。在籍している研究者や学生のほとんどがノートPCやタブレットなどのモバイル端末を無線LANに接続している。「オンラインミーティングやGoogle Workspaceなどのクラウドサービスを使うためにも、無線LANの増強は欠かせない要件でした。その要件を満たし、次の5年間運用するネットワークをできるだけ陳腐化を抑えた形で構築できるか頭を悩ませました」(大野氏)

予算を抑えて高速化を図るための工夫

大野氏が採った基本方針は、「メリハリをつけること」。つまり要望の高いところに予算をかけるが、そうではないところは諦めるという方針だったという。APについては、「最低でもWi-Fi6。可能ならば3×3MIMOや4×4MIMOなど、できるだけ高速なものにしたいと思いました」(大野氏)

APの高速化とバランスをとるためには、有線ネットワーク側のスイッチの強化も欠かせない。岡崎3機関ではエッジスイッチは100台以上、無線APは300台以上設置されている。これは建屋の数が多く離れて建っていることや、電波の通りにくい構造をしていることが原因だという。APの数を減らすことなく強化するために、大野氏たちは1年掛けてエッジスイッチのポート利用率をモニタリング。利用率からポート数を50%削減できることが分かったという。

また、コアスイッチとエッジスイッチ間の光モジュールを減らすための工夫として、スター構成ではなくループ構造を採用することにしたという。

仕様書を書く際にも、「機能が高いものが優先的に選ばれるように工夫した」と大野氏。岡崎3機関の入札では、技術点と価格点の合計点で決まる総合評価方式で行われる。大野氏が担当するのは技術点で、必須機能をサポートしていれば合格、追加機能があれば加点するという方法である。「どうしても欲しい機能には配点を高くするなど、価値に見合う点数を付ける工夫をしました」(大野氏)
 

図. NINS 岡崎3機関のネットワーク構成図

図. NINS 岡崎3機関のネットワーク構成図

想定していたほぼベストな機能が提供された

総合評価方式により、選ばれたファーウェイの提案は、「私たちが想定しているほぼベストな機能を提供していました」(大野氏)

例えばエッジスイッチとして採用された「CloudEngine S5732-Hシリーズ マルチGEスイッチ」は全ポートNBASE-T2.5Gに対応。それに伴い情報コンセントも2.5G 対応にした。また、今回導入された「AirEngine5760-51アクセスポイント」も4×4、MIMOに対応するなど、他社よりも機能が1ランク高かったという。

ネットワークの運用を担当している分子科学研究所 計算科学研究センター 技術職員の澤昌孝氏も「速度やつながらないなどの問い合わせもなくなりました」と話す。

ファーウェイ製品は初めての導入だったが、「初期導入のトラブルもなく、非常に扱いやすい」と大野氏は満足そうに言う。

岡崎3機関では明大寺と山手のキャンパスをVXLANファブリックで接続している。それを管理・制御するのが「iMaster NCE-Fabric」。そのほかにも「OceanStor Dorado 6000」という高性能オールフラッシュNASストレージ2台も導入された。2台のストレージが冗長化されていて、重要なセキュリティログを安全安心なファイルシステムに長期保存している。ファーウェイのデータセンターを活用する不安もあったが、「置き場所を選べるのは安心材料だった」と大野氏は吐露する。

「5年後の調達が怖い」(大野氏)と話すぐらい、想定以上の高品質なネットワークが構築できた岡崎3機関。それを可能にしたのが、ファーウェイの製品ポートフォリオの広さと、インテグレーションを担当したエイチ・シー・ネットワークスの技術力の高さである。ネットワークの高速化だけではなく、研究にも拍車がかかりそうだ。

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